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画竜点睛を欠く

タイトルの如く不完全燃焼なアラフォーブログ 本と音楽と映画が主軸

ジャズスタンダードのススメ その背景と成立の歴史2 発展期

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ryunosuke.hatenablog.com

この投稿記事の続きになります。

ティン・パン・アレー(Tin Pan Alley)出身の作曲家達

前回はティン・パン・アレーのソング・プラガー(Song Plugger)が後のジャズスタンダードとなる曲を多く作曲することになりますというところで区切っていました。もう少しこのソングプラガーに踏み込んだ内容を載せておきたいと思います。

当時は音楽の再生機器が発達していなかった為、楽譜の売れ行きイコールヒットソングという図式でした。ソング・プラガーは曲を売り込むことを生業とする人達で音楽出版社に所属していました。

楽譜を求める客に試奏して接客したり、劇場やナイトクラブで自社の曲を盛り上げるサクラをやったり、ミュージカルや映画の俳優、監督に新曲を素材として提案するなど仕事は多岐に渡りました。

レコード、ラジオが一般普及するまではソング・プラガーが音楽普及の担い手であったわけでした。そしてソング・プラガーは作曲家への下積み修行も兼ねていました。

だいたい1910年代~1940年代まで活躍した代表的な3人に絞って書いてみます。

アーヴィング・バーリン(Irving Berlin)

Songs of Irving Berlin

Songs of Irving Berlin

 

ロシア系ユダヤ人。19世紀末~20世紀の帝政ロシアではユダヤ系の迫害が続いた為、多くがアメリカを新天地として求めたそうです。移民してきた時には英語が話せなかったそうですが、後にアメリカのシューベルトと言われるまでになったのは凄いの一言こと。

ティン・パン・アレーではテッド・スナイダー・パブリッシングに曲を持ち込み作詞家契約でアーヴィングとアメリカナイズされた名前へ変えて署名し、ソング・プラガーとして活動しながら作曲することも覚え多くの自作の曲を書き上げヒットを築きました。

まともに教育を受けていないので、採譜することも出来なかったそうなのですが、思いついたメロディをアシスタントに記譜してもらいながらの作曲だったそうです。

代表曲

  • ホワイト・クリスマス(White Christmas)
  • ゴッド・ブレス・アメリカ(God Bless America)
  • ショーほど素敵な商売はない(There's No Business Like Show Business)

www.youtube.com

Generald Wilson sings 'God Bless America' - YouTube

There's No Business Like Show Business (ショーほど素敵な商売はない) - YouTube

ジェローム・カーン(Jerome Kern)

「歌はあなた」 ジェローム・カーン・ソング・アルバム

「歌はあなた」 ジェローム・カーン・ソング・アルバム

 

こちらはドイツ系ユダヤ人。彼はアーヴィングとは異なり裕福だったのでニューヨーク音楽大学に学び、同じくソング・プラガーとしてキャリアを積んでいきました。ミュージカルの挿入歌の作曲を生涯で700以上も手掛けた20世紀初頭を代表する作曲家となりました。

中でも有名な作品はショウボート(Show Boat)というミュージカルの中のオール・マン・リバー(Ol' Man River)という黒人荷役役が歌う曲で人種間の問題を取り上げた初のミュージカルでもありました。彼の伝記映画「雲流るるはてに」ではフランク・シナトラがオール・マン・リバーを歌っています。

しかしジャズスタンダードとして人気を博しているのはまた別の曲となります。 

代表曲

  • 煙が目にしみる(Smoke Gets In Your Eyes)
  • 今宵の君は(The Way You Look Tonight)
  • オール・ザ・シングス・ユー・ア(All the Things You Are)

www.youtube.com

Rod Stewart - The Way You Look Tonight - YouTube

All the Things You Are, from Very Warm for May - Laura Osnes and the Mormon Tabernacle Choir - YouTube

ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin)

Essential George Gershwin

Essential George Gershwin

 

アーヴィングと同じくロシア系ユダヤ人の移民二世。 兄のアイラの為、両親が買い与えたピアノでしたが、アイラは文学に興味を示し、変わりに弟のジョージがピアノのレッスンに励むようになったそうです。後に兄のアイラは作詞家として弟とタッグを組みました。

15歳でティン・パン・アレーの音楽出版社レミック社でソング・プラガーとして活動を開始。僕の所感ですが上記の二人よりもジャズミュージシャンに好まれるより多くのスタンダードナンバーを残していると思います。38歳で脳溢血により夭折。

ガーシュウィンがユニークなところはオペラ「ポーギーとベス」やクラシック「ラプソディ・イン・ブルー」などミュージカルや歌曲に留まらない分野まで作曲を行っていることです。ラプソディ・イン・ブルーは漫画からアニメやドラマにまでなった「のだめカンタービレ」の作中でも登場しています。 

代表曲

  • サマータイム(Summertime)
  • サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー(Someone To Watch Over Me)
  • アイ・ガット・リズム(I Got Rhythm)

www.youtube.com

Someone To Watch Over Me - YouTube

Rose Cora Perry: I Got Rhythm (LIVE) with Jim John's Swing Shift Band - YouTube

所感

今回書いていて気になったキーワードはユダヤ系でした。他にもジャズに影響を及ぼした同時代のユダヤ系作曲家作詞家は割かし多くいます。リチャード・ロジャース、ハロルド・アーレン、オスカー・ハマースタイン2世などがそうです。

ジャズは白人のクラッシクと黒人のブルースやラグの融合と解説されることがありますが、ジャズスタンダードというミュージシャンが取り上げる素材の元は意外にもジューイッシュミュージック(Jewish Music ユダヤ音楽)の影響が少なからず見え隠れしている感じがします。

次回スイングジャズ期とモダンジャズ期を併せて書いてみたいと思います。