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画竜点睛を欠く

タイトルの如く不完全燃焼なアラフォーブログ 本と音楽と映画が主軸

フォルクスワーゲンの排気ガス規制不正の考察

ニュース ニュース-フォルクスワーゲン ニュース-排ガス不正

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久しぶりに時事が目についたので書いてみることにした。(この記事は消えました。)このNHKのニュースのタイトルに約1100万台とあるが2014年の年間総生産台数は1018万台なのでほぼ実数的には1年間に作り上げた車が対象になることになる。(なお問題になっている対象期間は2014年だけではない)1000台という数の車でも並んでみると壮観だろうが、その1万倍ともなる1000万ともなるともはや想像だにできない。

排気ガス不正問題

EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)が、EA189というディーゼルエンジンを積んでいるフォルクスワーゲン(以下VW)の車種に対し米国の法規に違反していると指摘。VWは不正行為があったことを認めた。

現在VWからは65億ユーロ(8700億円)の対策費を特別損失として計上すると発表。米国からは法に違反した制裁金として1台あたり3万7500ドルが科せられ、分かっているだけで48万2000台に上る為、約180億ドル(2兆1600億円)を支払うことになり併せると3兆円規模となる。

車両には各国において法規というある一定の水準を満たさなければ販売出来ないという決まりがある。

今回排気ガスの認証を受ける際は基準を満たすようにソフトは稼動するが、実際に販売されて公道を走っている車はエンジンを制御するECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)でdefeat deviceという処理無効化ソフトが動き、最大で基準値の40倍の窒素酸化物(NOx)が排出されていたこととなっている。

推測だが、当局のテストを受ける際テスターか何かのトリガーがあり、それを検知したECUはその時点では正しく排ガスの処理をしているのであろう。

窒素酸化物は光化学スモッグの原因であり、健康への影響として

  • 呼吸器疾患
  • 循環器疾患
  • 発癌性
  • 喘息

 が挙げられる。

EPAは

こうした仕掛けを車に搭載し大気浄化規制を逃れることは違法であり、国民の健康を脅かすものだ

とコメントしている。

 

なぜ?

緊急に、透明性を保ち、本件の事実の全てを第三者委員会の手によって明らかにする

とVWは発表しているが 、そもそもこのような不正をするメリットが見当たらない。

一部で試作などの試験や実験の段階で排ガス処理を無効化するプログラムを実装していたが、そのプログラムをoffもしくは削除するのを忘れてしまっていたのではという憶測も生んでいる。

エンジンなどの内燃機関には詳しくないが、確かに高効率でエンジンの出力を出したい場合はNOx触媒を削れば、燃費がUPするようだが・・・

下記リンクより引用

日本メーカは,乗用車用にNOx吸蔵触媒を使っています。これは触媒表面にNOxを吸着させ,時々,燃料を増やして,HCやCOを多く発生させ,これらにより吸着したNOxを還元します。このため燃費が5%くらい悪化します。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

実走行での燃費を懸念して、窒素酸化物の駄々漏れを容認していたとはあまり考えにくいし、考えたくないが、そもそも米国法規Tier2 Bin5の基準が厳しく、経年劣化による性能の維持が無理であるために開き直った対処を施してしまったなど邪推したくはなる。

※表の左が窒素酸化物(NOx)で制限している値が日、欧より下。

f:id:RyuNoSuKe:20150923164931j:plain

 

VW株はナイアガラフォール

kabumatome.doorblog.jp

f:id:RyuNoSuKe:20150923170924j:plain

年初来高値(3月-4月)の250ユーロという数値から現在は100ユーロ付近までないあがらふぉーる。来るのかなVWショック。100ユーロ辺りは支持線が機能しそうなので勇者はこの辺でリバ狙いの買い出動あるかな。相場の格言として「落ちるナイフに手を出すな」という言葉のとおり、よからぬ発表次第ではさらに下があるように見える。

 

責任の所在 

VWのウィンターコルン会長は

ほんの数人の過ちによって、60万人の全従業員の懸命かつ誠実な仕事ぶりが疑われるようなことはあってはならない

と述べているが本当に数人がかりで3兆円規模の不正が可能か少し疑わしい。

 

www.bild.de

ドイツ語記事に部品供給(ディーゼルエンジンEA189)はボッシュ(Bosch 大手自動車部品メーカー)が行っているとあり、ボッシュ側のステートメントとして部品とソフトの統合を図る責任はVWであるとコメントしている。

これだけでは開発体制が分からないが、ボッシュ側のコメントを信じるとなると少なくともVW側がソフトを自社開発しているもしくはボッシュや共同開発している別のソフトウェア会社からソフトの開示を受けて自由に改変出来た(ブラックボックスソフトではなかった)という推測は立つ。

例えだが、娑婆へモノを売り出したいので、法規という名の門をくぐらなければならなかった。この門を守る門番に通行証を見せてまんまと門をくぐりぬけられたのだが、後になってこの門番は偽装に気付き、通行したもの全てを追いたて身包みを剥ごうとしている。

今回この偽装が悪意ある意図的なものだったのかそれとも・・・

「うっかり排ガス処理を無効化するソフトが動いちゃってました。テヘへ」なんていう結末もそれはそれでありかな。単純な人為的なミスで莫大な金と信頼を失いましたなんてことは往々にしてある。

 

VWの日本法人サイト

www.volkswagen.co.jp

このページには以下のようにある。

フォルクスワーゲンは環境という言葉が生まれる前から、地球環境の事を考えてきました。

(´-`).。oO(大いなる欺瞞 う そ だ)

 

最後に

私も法制約への対応として環境負荷を低減させる為の専任業務に従事したことがある。Goサインが出ていたにも関わらず、法制約は随分先になるとの見通しとリーマンショックによる景気減速が足枷となり、赤字を少しでも減らす為、設備投資を含む低減策は白紙撤回となった。

たまらないのは下請けで設備投資したにも関わらず、負荷低減を盛り込んだ製品は生産出来ず、従来の低減前のモノを作らざるを得ないこととなり、人、物、金、すべてのリソースで赤字を計上する羽目となっていた。

担当の営業からは泣きのクレーム、2次請け、3次請けは阿鼻叫喚と散々大企業のエゴに振り回され、気付くと私は会社を辞めていた。

経営学を体系化した大家P・F・ドラッカーの提言によれば、「企業とは顧客を創造することが目的であって営利だけを追求する組織であってならない」というのが見解だ。

今回の件は不正を働いたのか断定出来ないが、企業はある時は詐欺集団(今回規制を逃れ販売?)と化し、儲かることが正義という実態をまざまざと見せつけてくれる。